2024.6.14
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澪工房では、2024 年7月6日(土)~7日(日)『澪を彩る作り手たち』を開催いたします。今回は、錫製品、木工製品、テキスタイル、ガラス製品です。出展される企業と作家のご紹介を4回に分けてご案内いたします。
今回は能作さんです。
能作の錫製品
大正5年に鋳物製造を生業として富山県高岡で創業された能作(のうさく)さん。『カンブリア宮殿』、『ガイアの夜明け』、『がっちりマンデー!!』などのテレビでも紹介され、現在では、錫製品といえば能作さんを思い浮かぶほどになっています。創業当時は真鍮の仏具、茶道具、花器を中心に製作され、近年は錫100%のテーブルウェア、インテリア用品、医療部品を手掛け、高岡銅器の魅力を、そして江戸時代から400年余り受け継がれてきた地域の伝統産業を今に伝え続けている会社です。
澪工房スタッフも以前、社員旅行で工場見学をさせていただきました。伝統工芸が生み出される現場の雰囲気、職人さんの真剣な姿、丁寧に作られている製品、そこで働く従業員一人一人のおもてなしの心を感じとても感動いたしました。機会があれば是非 能作さんの工場へ足を運んでみてください。
錫という素材のこと
錫は、手で簡単に曲げられるほどやわらかいのが特徴です。その特徴を生かして作られたのが「KAGO」シリーズや酒器などのテーブルウェアなど。金・銀に次ぐ高価な金属で、抗菌作用がある素材。錫の器に入れたお水は腐らない、お酒がまろやかになるといわれ古くから茶器や酒器の材料とされてきました。
お好きな形に変えて使用し、しまうときは平らになる、場所を取らないこちらのKAGOシリーズはプレゼントに喜ばれています。
~「より能(よ)い鋳物を、より能(よ)く作る」能作は、技術と素材を最大限に生かすデザインを追求し続け、高岡の地で人に愛され、地域に誇れるものづくりを目指します。~という会社の方針どおり、創業100年のときに能作克治会長(当時は社長)が藍綬褒章を受章されています。≪藍綬褒章(らんじゅほうしょう)とは。・会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業の振興、社会福祉の増進等に優れた業績を挙げた方へ天皇から授与される褒章のひとつ≫
「もの」をつくるだけでなく、その背景にある「こと」「こころ」を伝える産業観光事業にも取り組まれ、職人の手仕事を間近で見られる工場見学や鋳物製作体験、地元食材を盛り込んだメニューを錫の器で楽しめるカフェ等を運営されています。能作さんの工場は、国内外から年間13万人もが訪れるスポットとなっています。また2019年からは、自社が扱う錫に注目し、結婚10周年を祝う「錫婚式」のブライダル事業にも取り組まれています。
いつも能作さんの製品は澪工房にいくつか展示していますが、今回のイベントでは、新作を含めた製品がたくさん並びます。能作スタッフの方が高岡からお越し下さるので、製作のこと、使い方、こだわりなど、ひとつひとつの製品について詳しくお話をお聞きできます。
今回の出展製品の一部をご紹介
V60ドリッパー
SUZU – M 16,500円(税込)
大きなひとつ穴はネルドリップのような抽出ができ、お湯を注ぐ速度を変えることで、好みの味のコーヒーを淹れることができます。 また、ドリッパーの内部は特徴的なスパイラルリブ構造になっているので、「蒸らし」によるコーヒー粉の膨張を妨げず、空気がしっかり抜け、コーヒーのおいしさを最大限に楽しめます。
錫は熱伝導率が高いため、お湯を注ぐことですぐに器全体が熱くなるため、事前にドリッパーを温める手間が省け、迅速な抽出が可能です。また、抗菌作用があるため食器として安心してご使用いただけます。ご家族ととっておきのコーヒーを楽しみませんか。
※1杯:約120ccを想定
ご使用後のドリッパーは非常に熱くなっているので、木のホルダーを持って移動させてください。
【セット内容】
V60ドリッパー – SUZU – M 1ヶ ホルダー 1ヶ
※ペーパーフィルター、サーバーは付属しておりません。推奨ペーパーフィルター:V60用ペーパーフィルター(円すい型)
※サイズはmmでの表記となります。
※全て手仕事で製造しているため、サイズ・容量・重さ・風合いには個体差があります。
V60ドリッパー – SUZU – M 16,500円(税込)錫100%のコーヒードリッパー
世界中から愛されているHARIOのV60シリーズとコラボレーションした商品こちらはMサイズ(※ 1~4杯用)です。円すい型のV60ドリッパーは、従来の扇形ドリッパーに比べ、深いコーヒー粉の層ができるので、注がれたお湯が中心に向かって流れることによりコーヒー粉に長く触れ、成分をより多く抽出できるのが特長。
◆サイズ違いのSサイズもあります
ドリッパー:H95 φ114 ホルダー:H13 φ120
ドリッパー:錫100%
ホルダー:アサダ(木製)
片口 – まどか
H78 W115 D91 満水容量 300cc 9,350円(税込)
なめらかな曲線が美しい錫100%の片口です。まろやかな味わいのお酒を楽しみたい方におすすめです。
錫は古来より、「錫の器に入れた水は腐らない」、「お酒の雑味が抜けてまろやかになる」などといわれ、酒器や茶器などに用いられてきた金属。一旦片口に注ぐことでお酒の雑味が抜け、一層美味しくお酒を味わっていただけます。注ぎ口の水切れの良さにもこだわったので、ドレッシングや蕎麦つゆ入れなどとしてもおすすめです。
「まどか」には、穏やかなさま、円満なさまなどの意味があり、ご家族や夫婦でゆったりとした時間を過ごしていただけるようにという想いで名づけました。お揃いのぐい呑とともに、大切な方とお酒をお楽しみください。
ぐい呑 – まどか
H39 φ60 満水容量60cc 4,620円(税込)
「まどか」には、穏やかなさま、円満なさまなどの意味があり、ご家族や夫婦でゆったりとした時間を過ごしていただけるようにという想いで名づけました。お揃いの片口とともに、大切な方とお酒をお楽しみください。
福だるま
だるま:H34 W36 D32 座布団:H10 W64 D61
だるま:錫100% 座布団:ポリエステル 6,600円(税込)
福を呼び込む縁起物、錫100%の福だるまです。 だるまは、魔除けや家内安全の意味を持つとされる置物で、大願成就を祈願する縁起物としても親しまれています。
能作のだるまは、細かな表情の描写にとてもこだわった職人の技が詰まった一品です。
鋳物でありながら凛々しさを感じられる顔は、願いを叶えるまで努力し続ける強い思いを後押ししてくれるようにも見えます。
目標に向かって日々頑張っている大切な方への贈り物としていかがでしょうか。
赤い座布団付きの日本らしい置物なので、海外の方へのお土産としてもおすすめです。
工場と製造過程について
富山県高岡市にある本社工場は、2019年のグッドデザイン賞に選ばれました。
製作の様子 広い工場内でたくさんの職人さんが作業をされています。
250度ほどまで熱して溶かした錫をベテランの職人さんが流し込んでいます。あっという間に冷え固まってしまうのでスピードが大切です。
鋳型用の砂に少量の水分と粘土を混ぜ、押し固めて成型する「生型鋳造法」で製造します。鋳物砂は押し固めているだけのため、もろく崩れやすく、熟練した職人技が必要となります。 また、砂の粒子の多きさや気温差等の条件により、ひとつひとつ表情の違う鋳物が生まれるのも「生型鋳造法」の特徴です。
鋳型から取り出されたばかりの片口
取り出された製品のひとつひとつを丁寧に職人の手で研磨し、仕上げていきます。
能作さんでは、自動化した機械が製品を製造しているのではなく、ひとつひとつの製品が、職人の技で作られています。能作さんの工場見学をされた方は、使う度に職人さんの事を思い出し、心のこもった一品であることを感じることと思います。
工場見学ができる「能作FACTORY TOUR」は、←こちらからご覧ください。
(株)能作 歴史
(詳細は能作HPにてご覧くださ⇒https://www.nousaku.co.jp/company/)
1916 富山県高岡市京町にて、青銅鋳物により仏具の製造を開始
2002 業容の拡大に伴い、株式会社能作と改組改称
2003 世界初「錫100%」製のテーブルウェアの製造を開始
2016 創業100周年を迎える
代表取締役会長 能作克治が藍綬褒章を受章
「第1回三井ゴールデン匠賞」グランプリ受賞
2017 高岡市オフィスパークに本社・新工場竣工に伴い移転
2019 本社工場がグッドデザイン賞受賞
「第13回産業観光まちづくり大賞」経済産業大臣賞受賞
2022 台湾・台北にブランドコンセプトストア「能作台灣品牌概念店」をオープン
2023 ダイヤモンド経営者倶楽部 2022年度「マネジメント・オブ・ザ・イヤー」大賞受賞
2024 台湾のブランドコンセプトストア・『能作台灣品牌概念店』がドイツの「iF DESIGN AWARD 2024(iFデザインアワード)」インテリア/建築部門でデザイン賞受賞
澪工房では、2024 年7月6日(土)~7日(日)『澪を彩る作り手たち』を開催いたします。今回は、錫製品、木工製品、テキスタイル、ガラス製品です。