澪工房

2020.6.3

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酒井です。

 

昨年ご新築されて家具を色々買っていただいたお客様から珍しいご相談を頂きました。

 

公共施設の設備管理を行っているお客様でして、劣化した配管の中がどうなっているかを見せる為の標本を作る為に、木箱を特注してほしいというご相談でした。

 

重量があり、自立するものではない為、強度、固定方法など心配されておりましたが、当社なら作れると思っていただいたようです。

過去にさまざまな箱を作っておりますので当社の得意分野です。

 

中に入れる配管はこちら↓

真っ二つにした配管の曲がり部分(継手)を中に入れます。

一個が2~3㎏あり、左に劣化した継手と右に新しい継手を置くので、計6㎏ほど重量があります。

 

 

 

 

 

 

 

持つところが無いと簡単には持てない重さですので、今回はこの箱↓をベースに考えました。

 

箱膳です。

箱膳とは普段は食器を入れて、食事の時はフタをひっくり返すと飯台として使える江戸~昭和初期によく使われていた箱です。

無垢材で出来ているので耐久性があり、側板が平らな普通の箱とは違い、手掛かりがあるので重量があっても持ちやすいです。

 

 

 

 

 

この仕様をベースにして、エゾ松材でそれぞれのサイズに合わせた標本箱を作りました。

完成形↓

 

 

立派な標本箱の完成です!

底板は継手の劣化具合を邪魔しない為に白いポリ板にしました。

置きにくい形でしたが、丸みに合わせた台を作ったのでしっかりしてます。

 

お客様のご要望に合わせて、色々考えながら作る事は良い経験になりますし、何よりとても楽しいです。

今回もとても喜んでいただき、作った甲斐がありました。

 

 

 

 

 

ところで、初めてこういった配管の断面を見ましたが、結構凄いことになっているようです。。

オレンジの付着物が錆や汚水による汚れなのですが、金属が腐食して薄くなっており、いかにも漏水しそうです。

漏水などの直接被害が起こる前に、配管交換を行った方がコスト的に良いらしいので、会社やマンションを管理している場合は早めの寿命点検を行った方が良いという事を知りました。

今回の案件をご注文頂いた「札幌施設管理株式会社」さんは寿命診断も行っている会社ですので、詳しく知りたい方は是非お問い合わせをしてみてください。

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