2014.11.8 CATEGORY: スタッフ通信 酒井です。 前回の続きです。 今回は伝統工芸高岡漆器で知られる[(有)武蔵川工房]の螺鈿加飾技術について ご説明いたします。 [(有)武蔵川工房] 明治43年に創業し、伝統工芸高岡漆器の青貝加飾の制作を中心に 広く青貝螺鈿加飾の可能性を探り、建築、家具、金属製品への青貝加飾も手掛けている工房です。 まずこの「螺鈿」という漢字は読めるでしょうか? 読み方は「らでん」と読みます。 螺鈿とは特定の巻貝の裏面から波紋状に輝く膜を削り取り 漆地や木地などにはめ込む技法の事を言います。 「螺」は「螺旋」で見たことがあると思いますが、訓読みは「つぶ」です。 俗にいう「つぶ貝」の事です! 鈿は「黄金のかざり」という意味があります。 どんなものかというと・・・ 武蔵川工房さんの作品 輝いている模様が螺鈿です。 まさに「巻貝の黄金のかざり」だと思います。 螺鈿に適している貝の種類はあまり多くなく 武蔵川工房さんではアワビ、ヤコウガイなどが使われております。 アワビ ヤコウガイ 一つの貝から大きくて10㎝ほどしか取れなくて、一枚ずつ削り、薄くするので 大変手間が掛かる貴重な材料です。 この貴重な材料を模様に合わせながら切っていき、慎重に貼り合わせ 何度も何度も漆を塗り込み完成させていきます。 完成日数は最低でも一ヵ月から三ヵ月、複雑なものになると年単位にもなる大変繊細なものなので伝統文化の素晴らしさがギュッと詰まっていると思います。 北海道には漆文化が少なく、あまり間近で見たことがありませんでしたが 実際に職人さんの話を聞いたり、触れてみて、歴史や面白さを知り 本当に衰退させてはいけない文化だと思いました。 現在、当社のショールームにも札幌の漆作家 渡邊希さんの漆のテーブルを展示しておりますので、漆にご興味のある方は是非ご来店下さい。 次回は富山県高岡市出張part3「㈱能作」鋳造について掲載します。