自然のテクスチャーから感じる美しさをテキスタイルで

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KAJIHARA DESIGN STUDIO代表
テキスタイル デザイナー 梶原加奈子さん


1973年北海道生まれ。多摩美術大学デザイン学部染織科卒業、ロイヤルカレッジオブアートMA取得。産地とともに歩む服地開発に精力的に取り組み、国内外のファッションおよびインテリアマーケットをリード。ファッション小物やインテリアプロダクト分野にも活動の場を広げ、デザイナーや企業とのコラボレーションも積極的に展開している。

自然のなかで癒やされる感覚を
そのまま写し取った家具テキスタイルを

これまで服地、つまり「身にまとう生地」のデザインを通じては、常に自然のなかにある色やテクスチャーというものを意識してきました。

今回、澪工房さんとお仕事をさせていただくにあたっては、空間の中に置く、あるいは空間の中での布の在り方について考えることになりました。それは難しくもあり、また楽しく新鮮な体験でもあり─。

例えば森に出かけて、緑の中で癒やされる感覚。それと、家具になっているテキスタイルを見て安心したり、リラックスしたりする感覚は似ていると思うんです。それに対して服地は、自分で自分を見るというより、誰かに自分を見てもらいたいイメージを大切にしながら作っていくもの。自分がその場でくつろぎたい、楽しみたいという気持ちを軸にものづくりをする家具と、大きく異なる部分だと思います。

家具の生地ならではの質感を活かし
自然が持つ豊かな感覚を再現

家具の生地は耐久性が必要な分、服地に比べて厚いんです。服地にはあまり重いと着にくいという制約もありますが、家具の生地はある程度重量があってもしっかりとそこに存在できるので、凹凸感を出しやすい。自然のなかにあるものって、ほとんどが凹凸のあるものでしょう。感覚を豊かに表現しやすいプロダクトだと感じました。ショールームを訪れたお客さまに、手で触れて、感じて、昔見た自然のなかのテクスチャーを思い浮かべる感覚になっていただけたらうれしいなって思います。桜やカバ、ナラ…、家具として使われる木材とテキスタイル。自然のなかでのテクスチャーのリンクやイメージが溶け合う自然な世界を感じていただけたら…。

うれしいときも悲しいときも─
長く心に寄り添うシンプルな多面性

澪工房さんとのデザインにあたっては、家具と生地との感度調整のようなものを常に意識していました。例えば服地なら、まずシチュエーション的にいろいろなバリエーションがあるでしょう。パーティーに行く服、家の中でくつろぐ服、日々の仕事で着る服、それぞれが違いますし、さらに季節ごと、年ごとに新しいシルエットであることも求められます。

それに対して家具に使われる生地は、1つのものがさまざまなシーンで長く心に寄り添うものでなくてはならない。今、楽しい気持ちのときにはこの生地はこう見えるけれど、悲しいときにはこういうふうにも見える、というような、シンプルさのなかに多面的に見えるデザインを心がけました。自分が見て、楽しいな、安らぐなという気持ちを軸にしながら、長く使っていただくなかでの変化も考えて。服地にはない責任感を感じながら、楽しくやりがいのある仕事ができたと思っています。

これから挑戦したいことは、家の中にこれが1つあったらすごく元気になるというような、強くて楽しいエネルギーを放つような家具を作りたいと思っています。色のアプローチももっと強いものにして、明るく元気な家具を作れたらって思うんです。


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